12人の死にたい子供たち 冲方丁
映画化するんだね。
少し前に、橋本環奈が出演するって何かで観たけどこれだったんだねぇ。
今なら映画の表紙が付いてる。
私はイラストの方が好きだけど。
早速ネタバレだけど、
私はバトルロワイヤル的な話なのかと思ってたんだけど、全く違ってた。誰も死んでなかった。そして、サトシの思惑も途中から何となくわかってた。犯人が誰かも、なんとなぁくわかったけど動機が全くわからなかった。シンジロウくん凄すぎ。
それぞれの死にたい理由を持ち、12人の子供たちが廃病院(産婦人科)に集まってくる。集合した皆は受付カウンターで番号札を取って地下室へ行く。これから集団自殺をしようという12人の目の前に、予想していなかった13人目が現れる。しかしその13人目は息をしていない様子。
13人目は誰が連れてきて、誰が殺したのか?
自殺をする前に皆でそれについて話し合いが行われる。12時集合で、解散まで約7時間、子供たちは会議を続ける。
話し合いの中で、13人目の子供は、廃病院に連れてこられたあと、病院内を2階、3階、4階と移動させられ、最終的に地下室に連れていかれたことが見て取れる。共犯者がいたのでは?と話は展開していく。
結局、13人目を連れてきたのは12番の少女ユキで、自分のせいで事故にあい、植物人間になってしまった兄を連れてきて一緒に死のうと思ったとの事。兄は車椅子で連れてこられたが、ユキは既に人が来ていることに気付き、病院の前に兄を置いて隠れてしまう。
ユキが隠れている間、先に来ていたノブオとアンリが、車椅子の少年を見て、この計画事態が無くなってしまっては困ると思い、兄を移動させたのだった。この時、ノブオとアンリはユキが連れてきたことを知らない。
途中、犯人が誰かわからない中で、セイゴがここに来た理由を告白しようと提案。それぞれが理由を述べ、シンジロウは犯人に近づいて行く。シンジロウはとても頭の良い子供だった。重い病気を患っており、親が警察官。
話し合いをする中で、皆が自殺を思いとどまる。世の中にはいろんな病気があるんだなぁ、とか、警察に相談してみたら?という事例についてはシンジロウが親を紹介するといったり、いじめにあっている子に対しては、セイゴが守ってやるという。
この辺りで、なるほどな、これは誰も死なない話なんだなと気付いた。
最後の最後まで、アンリは集団自殺について実行を希望していたが、その動機はとても難しい問題だった。この話は、子供たちの悩み、病気のこと、親のこと、いろんなことを考えさせられる物語だと思った。子供ではなく大人にみてもらいたい話だなと。
最後に、登場人物のまとめ。
この廃病院の自殺した元院長の息子であり、集団自殺の管理者であるサトシ。
自分が思ったことを思ったタイミングで空気を読まず発言してしまうことでいじめにあったケンイチ。
自分の好きなアイドルが自殺し、後を追うゴシック服のミツエ。
誰もが知る女優・リコであり、作られたリコに嫌気がさしたリョウコ。(橋本環奈)
重度の病気で、親が警察官のシンジロウ。(新田真剣佑)
両親が離婚し、自分に生命保険をかけているメイコ。
不妊報酬制度をこの世に知らしめたくて自殺したいアンリ。(杉咲花)
癇癪持ちの子供として母親に育てられ、過剰に薬を飲まされたことでいつも眠たそうなタカヒロ。
いじめられていた元凶の子供を階段から突き落として殺してしまったノブオ。(北村匠海)
母親に、生命保険をかけられ、1年以内に殺されるかもしれないセイゴ。
ヘルペスをおやじにうつされ、絶望的なマイ。
事故にあって植物人間になった兄を持つ、ユキ。
マイの病気、がわかった時のシンジロウの狼狽ぶりと言ったら…。申し訳ないけど笑ってしまった。ヘルペスって…。